2022年10月11日に技術者向けカンファレンス「Connect 2022」でMetaから発表された、「Meta Quest」シリーズのビジネス向け「Meta Quest Pro」。
「Meta Quest Pro」は、全世界で最も人気のある 一般ユーザー向けのVR ヘッドセット「Meta Quest 2」とどう違うのでしょう?この記事では、「Meta Quest Pro」の特徴を解説します!
「Meta Quest Pro」のスペック
2021年に「Project Cambria」というコードネームで発表されたヘッドセットが、今回「Meta Quest Pro」として発表され、2022年10月26日に発売開始されました。
ストレージ | 256GB |
メモリ(RAM) | 12GB |
チップセット | Qualcomm Snapdragon XR2+ Gen1 |
重量 | 722g |
カメラ | ルームスケールに5基(外部) 表情トラッキングに3基(内部) 視線トラッキングに2基(内部) |
センサー | 近接センサー ジャイロスコープ 加速度計 環境光センサー 磁力計 気圧計 |
ディスプレイ | 量子ドット液晶(QD-LCD) 片目1800×1920ピクセル リフレッシュレート 最大90Hz 視野角106°×96° |
レンズ | パンケーキレンズ |
瞳孔間距離 | 55mm~75mm |
バックライト | LED500基以上 |
通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2 |
コントローラー | Quest Touch Proコントローラー 充電池内蔵 |
その他 | 視線トラッキング リアルタイム表情トラッキング マイク3基搭載 バッテリーはヘッドバンドに内蔵 専用充電台付き |
バッテリー持ち時間 | 1時間半~2時間 |
OSの最小要件 | Apple iOS 10以降 Android 5.0以降 |
価格 | 22万6,800円(税込) |
「Meta Quest Pro」の特徴
ここからは、VRヘッドセット「Meta Quest Pro」の特徴を見ていきましょう!
デザイン
「Meta Quest Pro」は「Meta Quest 2」と全く異なるデザインをしており、黒を基調とした「Meta Quest 2」よりもスリムな高級感のある形が特徴です。新パンケーキレンズを採用することで、本体の厚みを大幅に薄くなり、装着時にヘッドホンと干渉しがちな頭頂部のヘッドバンドをなくし、不要なものをそぎ落として「Meta Quest Pro」本体をすっきりとさせました。
また、ハンドコントローラーも新デザインで使い心地が良くなっており、ハンドコントローラー自体にトラッキング機能がついているので、より細かい作業やゲームプレイも可能になりました。
チップセット
MetaとQualcommが共同で開発し、「Meta Quest Pro」のチップセットにSnapdragon XR2+ Gen1を世界で初めて搭載しました。このチップは「Meta Quest 2」のチップよりも性能は50%アップしており、内部の設計変更により放熱性も向上しています。さらに、RAMを200%増量の12GBを採用しており、より充実したコンテンツ体験ができます。
コントローラー
進化したコントローラーは、1台のコントローラーにSnapdragon 662モバイルプロセッサと3つのカメラを搭載しています。また、トラッキング機能も搭載しているため、より正確に座標を捉えることが可能です。新しいTouch Proコントローラーには、スライタスペン先も付属されており、バーチャルホワイトボードへ描画するためのペンとしても利用できます。
ディスプレイ
「Meta Quest Pro」のディスプレイは、画質が大きく向上しています。液晶ディスプレイ1枚を2つに分割し、片目が1720×1890ピクセルだった「Meta Quest 2」に対して、それぞれの目に1枚のディスプレイを搭載している「Meta Quest Pro」の片目は1800×1920ピクセルになっています。
もう一つの違いは「Meta Quest 2」で58mm・63mm・68mm の3段階でしか調整できなかった瞳孔間距離(IPD)が、「Meta Quest Pro」では55mm~75mmの間で無段階で調節できるようになったことです。
拡張現実(MR)
「Meta Quest Pro」は、仮想現実(VR)だけではなく、Meta初の高解像度MRセンサーにより拡張現実(MR)での活用が可能になっています。新たに搭載された高性能なフロントカメラによって、「Meta Quest 2」でモノクロだったパススルー機能が、カラーで表示されるようになり、複合現実コンテンツを楽しむことができようになりました。
さらに、フルカラーで利用できるようになり、ルームスケールに4基だったカメラが、ルームスケールに5基・表情トラッキングに3基・視線トラッキングに2基になりました。そのため、「Meta Quest 2」より4倍の解像度を持っており、より鮮明な映像が表示されます。
バッテリー
「Meta Quest Pro」では、バッテリーはヘッドセット後部にあり、バランスのとれた装着感になっています。さらに、「Meta Quest 2」には含まれていない充電ドックが標準装備されているため、ヘッドセットとコントローラーを一緒に充電できます。
充電方式はワイヤレスと本体のUSB Type-C端子から充電ができます。バッテリーが大容量化しているものの60~90分のみ連続使用可能で、「Meta Quest 2」や他社製品と比較しても短くなっています。
価格
スペックが大きく向上したのはわかりますが、価格も大きく跳ね上がり「Meta Quest Pro」は1,499ドル(日本では22万6,800円)と「Meta Quest 2」のほぼ3倍の価格となっています。これはちょっと高すぎますね・・・。
最後に
新型の「Meta Quest Pro」は高性能で魅力的ですが、高すぎて趣味では買えない価格になってますね。MetaのCEOマーク・ザッカーバーグによると、「Meta Quest 3」の価格が「Meta Qest 2」とあまり変わらない300ドル~500ドルという価格で2023年後半に発売されるそうです。VRを楽しみたい人は、「Meta Quest 3」を待つのが得策かもしれません。